専任技術者とは?
『専任技術者』とは、許可を受けようとする建設工事についての専門的知識や経験を持つ者で、営業所においてその工事に専属的に従事する者のことです。
各営業所にそれぞれ専任で常駐(常勤)させる必要があります。
なお、勤務場所が同一の営業所である場合に限り、『専任技術者』と『経営業務の管理責任者』とは同一人物であっても認められます。
専任技術者となるための要件は以下の通りです。
各①~③のいずれかに該当する必要があります。
注意点としては、受けようとする許可が『一般』か『特定』かによって、その要件が異なることです。
一般建設業の許可を受けようとする場合
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、高等学校若しくは中等教育学校卒業後5年以上又は大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ、それぞれ在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに国土交通省令で定める学科(指定学科)を修めた者
*「指定学科」:建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号。以下「規則」という。)第1条で規定されている学科で、建設業の種類ごとにそれぞれ密接に関連する学科として指定されている。
*「実務経験」:建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、ただ単に建設工事の雑務のみの経験年数は含まれないが、建設工事の発注に当たって設計技術者として設計に従事し、又は現場監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験等も含めて取り扱うものとする。
また、実務の経験の期間は、具体的に建設工事に携わった実務の経験で、当該建設工事に係る経験期間を積み上げ合計して期間とする。ただし、経験期間が重複しているものにあっては二重に計算しない。
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上の実務の経験を有している者
10年以上の実務経験について、原則としてその期間は1業種のみの経験しか認められません。
つまり、実務経験のみで複数の業種で専任技術者となるには、最低でも『10年 × 業種の数』の期間が必要となります。(緩和措置あり。詳しくは→こちら)
ア 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、旧実業学校卒業程度検定規程による検定で指定学科合格後5年以上又は専門学校卒業程度検定規程による検定で指定学科合格後3年以上の実務の経験を有する者イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに定められた技術検定、技能検定等に合格した者
イは『施行管理技士』や『技能士』などの『国家資格者』のことです。(対応する資格一覧は→こちら)
特定建設業の許可を受けようとする場合
法第27条第1項の規定による技術検定その他法令の規程による試験で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものに合格した者又は他の法令の規程による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものと受けた者
上記は『施行管理技士』や『技能士』などの『国家資格者』のことですが、『一般建設業』と違い、原則「1級」保持者でないといけません。(対応する資格一覧は→こちら)
上記の一般建設業の許可を受けようとする場合の要件のいずれかに該当する者のうち、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるもの(令第5条の3)に関して2年以上指導監督的な実務経験を有する者
ちょっとややこしい規定ですが、上記の『一般建設業を受けようとする場合』にあげた3つの専任技術者要件のうちどれかに該当する場合で、かつ、『元請』として請負代金4,500万円以上の工事において2年以上『指導監督的実務経験(現場主任や現場監督などの経験)』があれば、この要件を満たすという規定です。
「建設工事の設計、施工の全般にわたり工事現場主任や現場監督のような資格で工事の技術面を総合的に指導監督した経験」をいい、しかも実務経験を積める『建設工事』については「許可を受けようとする業種に係る建設工事で、かつ、発注者から直接請負い、その請負代金が4,500万円以上であるもの」に限定されます。
つまり、ただの現場主任や現場監督としての経験では足りず、いわゆる『元請』としての立場で請負った工事で、なおかつ『4,500万円以上』の工事でなければ『指導監督的実務経験』とは認めてもらえないということです。しかも2年以上の経験が必要ですから、かなりハードルは高いです。
・ 国土交通大臣が①又は②に掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有すると認定した者
・ 指定建設業7業種に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者又は国土交通大臣が定める考査に合格した者
*上記③の特別認定講習及び考査は、指定建設業制度が導入された際に行われたもので、現在は実施されていません。
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