登記されていないことの証明書と身分証明書
『登記されていないことの証明書』も『身分証明書』も聞き慣れないかもしれません。ちなみにここでいう『身分証明書』とは運転免許証や健康保険証のことではありません。
登記されていないことの証明書とは?
「登記されていないことの証明書」とは、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書をいいます。
成年被後見人や被保佐人の方々は法務局に登記されますが、逆に「自分は登記されていませんよ」ということを証明するための公的証明書で、法務局が発行します。(「ないこと証明書」や「非登記証明書」などと略して呼ばれます。)
なお、建設業許可申請において『被補助人』や『任意後見契約の本人』とする記録に関しては証明不要です。
『成年被後見人、被保佐人とする記録がないこと』のみを証明すれば足ります。(交付申請書にどの証明書が必要かチェックする欄があります。)
ちなみに、証明書の交付申請書には『住所』と『本籍』を記入する欄がありますが、両方を記入する必要はなく、そのいずれかを記入していれば足ります。(もちろん両方とも記入しても大丈夫です。)
なお、『氏名』や『生年月日』、『住所又は本籍地』の記入欄は証明書の交付申請書に申請者が直接記入しますが、その記入した内容がそのまま証明書として印刷され発行されます。
そしてそもそも申請者が「登記されていないかどうか」は『氏名』、『生年月日』、『住所又は本籍地』の情報を法務局のデータベースと照合することで確認されます。
それらの情報がデータベースに記録されていなければ証明書として発行されるシステムです。
ここで気をつけなければならない点があります。
どういう事かというと、もし申請者が交付申請書に記入した『氏名』や『生年月日』、『住所又は本籍地』の情報が間違っていた場合でも、データベースに記録がない以上その間違った記入内容のまま証明書が発行されてしまうのです。
つまり極端な話、(データベースに記録がない限り)実在しない架空の人物でも証明書が発行されてしまう、という事です。
当然、建設業許可を申請する際に『氏名』、『生年月日』や『住所又は本籍地』が間違ったままの証明書では申請が受付されません。
ですので交付申請書の記入間違いには気をつけたいところです。
外国籍の方は証明申請書の氏名欄に必ず本国名(漢字を使用しない場合はカタカナ)を記載します。特別永住者等の方の『通称名』は本国名のあとにカッコ書きで記載します。さらに本籍の欄は『国籍』を記載してください。
*上記に限らず、全国最寄りの法務局(本局に限る)にて発行可能です。(但し、郵送請求は東京法務局のみで可能です。)
ちなみに発行手数料は全国一律300円です。(収入印紙を貼付して納めます。)
身分証明書とは?
『身分証明書』とは、成年被後見人又は被保佐人に該当せず、また、破産者で復権を得ないものに該当しない旨の市町村の長の証明書をいいます。
こちらも「ないこと証明書」と同様に「該当しませんよ」ということを公的に証明してくれる書類ですが、こちらは本籍地の市町村長が証明する公的証明書であり、戸籍の一種です。
戸籍の一種であるため、発行元が『本籍地』の市町村役場です。『住所地』ではありませんのでご注意ください。
ちなみに発行手数料は200円〜600円といったところで発行元の自治体によって変わります。
なお、自治体によっては証明項目である『成年被後見人・被保佐人』と『破産』の2項目に発行手数料がそれぞれ別にかかる場合があります。
建設業許可申請において、証明する内容は必ず両方が必要で、どちらか一方では足りませんので、証明書発行の際には十分ご注意ください。
なお、交付請求は直接役場の窓口でできることは勿論ですが、遠方の場合等は郵送で請求ができます。
その場合、発行手数料は郵便局で発行される『定額小為替』で納付することが一般的です。
誰の証明書が必要なのか?
『ないこと証明書』『身分証明書』いずれも、許可申請者(個人の場合は事業主、法人の場合は役員(監査役、顧問、相談役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主若しくは出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者は不要))および令第3条の使用人について必要になります。
*いずれの証明書も提出前3ヶ月以内のものである必要があります。
なお、外国籍の方については、「身分証明書」は発行されない(本籍地が無いため。)ので、「登記されていないことの証明書」のみ添付します。(地域によって代わりに国籍記載の住民票を提出する場合があります。)
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