鋼構造物工事業で建設業許可 3つのポイント

鋼構造物工事業で建設業許可

500万円(消費税込)以上の『鋼構造物工事』を請負うためには『鋼構造物工事業』の建設業許可が必要です!

鋼構造物工事業で建設業許可を取得する際のポイントを3つ見ていきたいと思います。

ポイント1.『鋼構造物工事』の種類とは?

建設業許可における『鋼構造物工事』とは次のように定義されています。(参考:「建設業許可事務ガイドライン」)

鋼構造物工事の定義
形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事

では次に具体的にどのような工事が『鋼構造物工事』に該当するのかをご確認ください。

鋼構造物工事の例示
鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事、など

ポイント2.『ケイカン(経営業務の管理責任者)』要件を満たすこと

『ケイカン』は建設業許可取得に必須の要件ですが、『次の要件のいずれかを満たせば『ケイカン』になることができます。

ケイカンの要件
1.『鋼構造物工事業』を営む会社で役員(取締役)として5年以上の経験がある
2.『鋼構造物工事業』以外の工事業(業種)を営む会社で役員(取締役)として6以上の経験がある
3.『鋼構造物工事業』を営む個人事業主として5年以上の経験がある
4.『鋼構造物工事業』以外の工事業(業種)を営む個人事業主として6年以上の経験がある
5.『鋼構造物工事業』を営む会社又は個人事業主の元で6年以上の経営補佐経験がある
上記の経験(経営管理経験と言います。)はいずれも建設業許可を持っていない事業者の元での経験で構いません。建設業許可を取得するためには、原則として申請者の役員のうちの一人(または個人事業主本人)が上記の『ケイカン』要件のいずれかを満たし、その者が『主たる営業所』に『常勤』している必要があります。(『経営業務の管理責任者』要件について詳しくは→こちらをご参考ください。

ポイント3.『センギ(専任技術者)』要件を満たすこと

なお、次の要件1~3のいずれかを満たせば『センギ』になることができます。

1.対応する『資格』を持っている

鋼構造物工事業の対応資格
1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(種別:土木)
1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別:躯体)
一級建築士
技術士『建設「鋼構造物及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)』
・技能士『鉄工(選択科目「製缶作業」・「構造物鉄工作業」に限る)』(2級は+実務経験3年)
・技能士『鉄工(選択科目「製罐作業」・「構造物鉄工作業」に限る)』(2級は+実務経験1年)
・技能士『製罐』(2級は+実務経験1年)
・登録橋梁基幹技能者

※「 」は『特定』建設業の専任技術者(及び『監理技術者』)となりうる国家資格です。
※技能士は2級以上が必要。また、2級については合格後、実務経験3年以上(平成16年4月1日時点で旧技能検定に合格していた者については1年以上)が必要です。
※(+実務経験○年)の記載がある資格は合格後や資格取得後に規定の実務経験期間がないと『センギ』となれない資格です。

2.『指定学科』を卒業し、かつ、一定の『実務経験』がある

鋼構造物工事業に関する『指定学科』は次のとおりです。

鋼構造物工事業の指定学科
土木工学、建築学、機械工学

卒業後に必要となる『実務経験』期間は次のとおりです。

卒業後に必要な実務経験期間
高校もしくは中等教育学卒業の場合、卒業後5年以上の実務経験
大学・高等専門学校卒業の場合、卒業後3年以上の実務経験

3.10年以上の『実務経験』がある

『鋼構造物工事業』にかかる建設工事の実務経験が10年以上あれば、『センギ』の要件を満たせます。

ただし、『特定』建設業許可を取得するためには『鋼構造物工事業』は『指定建設業』であるため、「実務経験のみ」では取得できません。『特定』を取得するためには『1級土木施工管理技士』『1級建築施工管理技士』『一級建築士』もしくは、対応する『技術士』の資格でしか『センギ』要件をクリアできませんのでご注意ください。

指定建設業
施行技術の総合性、施行技術の普及状況、その他の事情等を勘案して定められた業種で、現在、次の7業種が定められています。(令第5条の2) 土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業

建設業許可を取得するためには、上記の要件のいずれかを満たす『センギ』が『営業所ごと』に『常勤』している必要があります。(専任技術者要件について詳しくは→こちらをご参考ください。

なお、上記の実務経験は建設業許可を持たない事業者の元での経験でも構いません。

まとめ

以上が『鋼構造物工事業』で建設業許可を取得するための3つのポイントです。これから『鋼構造物工事業』で建設業許可取得をお考えならご参考にしてください。

特に、同じように鉄骨を使用する工事であっても、それが『鋼構造物工事』なのか『とび・土工工事』に該当するのか、は混同しやすいため、本当に貴社で必要な業種はどちらなのか、あるいは両方が必要となるのか、は慎重にご判断ください。

なお、建設業許可を取得するためには、上記以外にも『欠格要件に該当しない』ことや『資産要件(500万円以上の預金があるか?)を満たしている』こと等の他の要件全てクリアする必要があります。(『建設業許可要件』について詳しくは→こちらをご参考ください。

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