2020年秋『監理技術者の専任性』が緩和されます!」

監理技術者の専任性の緩和『建設業法』及び『公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律』(いわゆる『入契法』)の一括改正案が、2019(令和元)年6月5日の参議院本会議で全会一致で可決・成立し、令和元年6月12日に公布されました。

今回の改正は、「建設業の働き方改革の促進」「建設現場の生産性の向上」「持続可能な事業環境の確保」の観点によるものでいくつか改正点があるのですが、限りある人材の有効活用を目的として『監理技術者』の配置義務が緩和されます。今回はそちらを見ていきたいと思います。

元請の『管理技術者の専任配置義務』の緩和!

現行の建設業法に基づく『配置技術者制度』では元請の建設業許可業者(以下「建設業者」と言います。)が現場に『監理技術者』を配置する場合で、請負金額が一定の基準(3,500万円建築一式工事については7,000万円以上の工事については工事現場ごとに専任で配置する必要があり、その『監理技術者』は他現場と兼任することができません。(現行の『主任技術者』『監理技術者』の配置制度について詳しくは→こちら

ですが、ただでさえ建設業界の人材不足が叫ばれる中、一定の資格(原則として1級の技術検定資格)を持った『監理技術者』の専任配置義務は多くの元請建設業者にとってかなりの負担になっているのが現状です。これが今回の建設業法の改正により一定の条件を満たすことで専任性要件が緩和され、『監理技術者』の複数現場の兼任が可能となります。(兼任可能な監理技術者のことを『特例監理技術者』といいます。(改正建設業法第26条第4項))

ちなみに

監理技術者とは
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が、1件の工事代金について4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結する場合に工事現場に配置する技術者のこと(建設業法第26条第2項)。その職務は『主任技術者』と同じですが、原則として「1級」の国家資格(『特定建設業許可の営業所専任技術者』と同一の資格要件)が必要で、より高度な専門的知識や能力が求められます。

※営業所の専任技術者の資格要件について詳しくは→こちら

条件1:『監理技術者補佐』を現場に専任で置くこと

気になる専任性緩和の条件の一つ目ですが、『監理技術者補佐』を現場に『専任』で配置することです。(改正建設業法第26条第3項但書)

『監理技術者補佐』の詳細は今後『政令』で定めるとされていますが、『1級技士補』を有する者のうち『主任技術者の資格要件(『一般建設業許可』の営業所『専任技術者』の資格要件と同一)を満たす者が想定されています。

技士補とは
今まで『学科試験』と『実地試験』に区分されていた『技術検定試験(いわゆる『施工管理技士』試験)』制度が今回の建設業法改正により、学科と実地を加味した『第1次検定』と『第2次検定』とに再編成され、『第1次検定』の合格者には『技士補』の資格が付与されます。(改正建設業法第27条第7項)

『1級』・『2級』の技術検定試験区分に従い、それぞれ『1級技士補』・『2級技士補』の資格を取得します。

条件2:兼任する工事現場の数の条件を満たすこと

上記の『監理技術者補佐』の専任配置以外にも『兼任する工事現場の数』について条件が付されます。(改正建設業法第26条第4項)

ただ、現時点(2019年6月24日)ではまだ『政令』の改正はされておらず、具体的な数の基準等は残念ながら不明ですので今後の発表を待ちたいと思います。(動きがあり次第、このホームページでもお伝えしたいと思います。)

『新・建設業法』の施行は2020年秋を予定

今回改正された『新・建設業法』ですが、国会で可決されて公布もされましたが、まだ施行(=法律の適用)はされていない状態です。

その施行時期について今回の改正案の附則には次のように記されています。

附則
(施行期日)
第1条 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

『公布の日』は2019(令和元)年6月12日ですから、そこから1年6カ月で2020(令和2)年12月前後という事になりそうです。

※※令和1年8月28日追記※※

政府は8月27日に改正建設業法と改正入契法の施行日を定める政令を閣議決定しました。

それによると『監理技術者の専任性の緩和』措置は2020(令和2)年10月1日に施行されることになりました。

当然それまでに『政令』の改正も行われて詳細が明らかになります。

『技術検定制度』の改正は2021年中を予定

なお、『技術検定制度』の改正については上記『附則第1条但書』にて「公布の日から2年を超えない範囲内(中略)から施行する。」と規定されており、2021年中の施行とみられています。

※※令和1年8月28日追記※※

政府は8月27日に改正建設業法と改正入契法の施行日を定める政令を閣議決定しました。

それによると『技術検定制度の改正』措置は2021(令和3)年4月1日に施行されることになりました。

まとめ

今回は『新・建設業法』のいくつかある改正点のうち元請の『監理技術者』の専任配置の緩和について解説しました。

色々と条件は付きますが、今回の改正によって元請の『監理技術者』確保の負担が減ることや『技士補』資格の創設によって若年層の早期活躍・入職促進にプラスとなることは間違いなさそうです。

とはいえ、まだ改正直後で『新・建設業法』の施行まではまだ1年以上の時間があります。

今後の動きには目が離せませんが、既存の建設業許可業者は現行制度での『監理技術者』の専任配置義務、施工体制の遵守には十分ご注意ください。

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